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中小企業診断士2次事例によるロープレ

中小企業診断士が集まった「コーチング&ファシリテーション研究会」で、
本日は、2次試験の事例文を使ってのロープレを実施。


事例の内容としては、
老舗の高級温泉旅館(一泊5万円)が、既存客の減少に悩む中、
ライフケアマンションの建設、外国資本による温泉旅館の買収、外国人観光客の増加などの
外部環境の変化にさらされながら、今後どのような戦略展開を考えていくのか、
というもの。

(問題原文は下記に掲載)


若女将が「商工会議所のセミナー」で知り合った経営コンサルタントを呼んで、
社長、女将を交えながら、話をするというシチュエーションで行いました。


完全アドリブで、若女将と女将が実は意見が対立していて、
若女将のいうことには女将がことごとく反対する、なんて設定も出てきたり・・・。

なかなか楽しめました。

ちなみに、私はコンサルタント役ではなく、高級旅館の社長役を演じました。

人のコンサルティング振りを見るのは勉強になりますね。

それと今回感じたのは、診断士の試験勉強をしていたときには、
2次試験の問題を解くのが、本当に苦痛というか、
どう答えていいのか、もがき苦しんでいたきおくがあります。

しかし、今回、こうして二次試験問題を読んでみると、「おもしろい」ですねぇ。

実におもしろい。うまく考えて作られているなぁと感心してしまいます。

以下、そのときのホワイトボードです。


診断事例



B社は、S県H温泉にある大正10(1921)年創業の老舗の温泉旅館である。H温泉は、200年以上にわたって湯治場として親しまれてきた。お客様に「非日常」を味わっていただくための「心を和ませる静寂への誘い」をB社はコンセプトとしている。資本金1,000万円、年商は4億円である。また、従業員は家族従業員を含んで20名である。仲居は、一人が一部屋を担当することになっており、きめの細かい対応は創業当初から続けている。宿泊料金は一泊二食付きで50,000円からと、H温泉にある他の旅館に比べて高額な価格設定になっているが、それでも予約をとるのが困難であった。

 「静寂さ」と「和み」を大切にしているため、団体客は受け入れず、小さな子供連れも基本的には断っている。食材はB社敷地内の山菜と地元契約農家から有機野菜、自然飼育の鶏卵などを調達し、地産地消を原則とした会席料理を提供している。館内には小さな図書室があり、また階段下や廊下の隅を巧みに使った書斎風の読書コーナーやベンチも設けている。思いついた時にいつでも気軽に本が読めるように、本棚も巧みに用意されている。

 敷地内には茶室や陶芸工房もある。女将が顧客の到着時にお茶を点ててもてなし、本格的な茶室では茶会も開けるようになっている。また、料理に使われる器はすべてこの工房で作られたものである。インストラクターによる陶芸教室もあり、初心者でも気軽に楽しむことができる。

 そもそもH温泉は、畑の中から温泉が湧き出して、それが傷や皮膚病、内臓疾患にも効能があるということで地元の人に利用されていた。その後地元の人だけではなく、その評判を聞いて遠方より湯治客が訪れるようになった。H温泉は湯治場として賑わうようになり、農家の人が片手間に湯治場の宿を始め、次第に規模と設備が整って本格的な旅館形式になったものがB社などの温泉旅館である。その後、H温泉組合が結成され、最盛時には15軒の旅館で組織されるまでに発展してきた。

 少子高齢化の影響であろうか、最近では各地の温泉地に、天然温泉付ライフケアマンションという名の定年後の老夫婦をターゲットとした高級分譲マンションが建ち始めた。H温泉にもその波が押し寄せ、湧き出す温泉量の全体に対して需要が超過する傾向もみられるようになった。その影響により、湯量が豊富で温泉の掛け流しが当たり前であったこのH温泉でも、旅館の立地条件によっては、沸かし湯の助けを借りることも考えなければならなくなってきた。しかし、今後、温泉地として生きのびるための新しい方向を模索している。

 歴史あるH温泉ではあるが、その中で来客数が減り、経営が悪化して外国資本に買収された旅館も出てきた。これらの旅館は建て直しされ、最新設備の整った大規模な温泉ホテルとして営業を始めた。ちなみに平均価格はB社より低く設定されている。今後、このようなホテルは増えそうである。

 また、H温泉を訪れる顧客層にも変化が表れ、外国人観光客が顕著に増えてきている。その中でもアジア地域の富裕層の観光客が半数以上を占めている。彼らの行き先は、ほとんどが旅行代理店とタイアップした外資系ホテルである。しかし、中には和風旅館の風情に親しみたいという人々もいて、温泉組合の観光案内所には問い合わせが増えつつある。

 最近H温泉より車で30分ほどの高速道路のインターチェンジ近くに、アウトレット・モールの建設計画が持ち上がっている。店舗数80以上、2,000台規模の駐車場が予定されている。このインターチェンジには、都心から1時間30分程度で着く距離である。

 老舗のB社にとっても、少しずつ変化が表れ、最近では平日の予約状況に空きが出るようになった。B社のプロモーションは、ホームページを開設し予約も受け付けてはいるが、顧客の口コミがほとんどであり、親子代々4代にわたって利用している顧客も重要なメディアとなっている。3代目の現経営者である女将がすべての宿泊客に毛筆で書く御礼状が重要なコミュニケーションツールとなっている。

 またB社は旅行専門誌やテレビの旅番組にも取材で取り上げられ、問い合わせは増えていた。しかし、建物や設備の老朽化は避けることはできず、外見上は目立たないような内部の補修は続けているが、メンテナンスのコストは上昇の一途である。このような状況下で、B社は、4代目の経営者に近々交代する予定である。

 4代目の経営者となる若女将は、老舗旅館から脱皮し思い切った改革が必要ではないかと考え、まず建物の建替えと客室(洋室)の追加を考えている。またメインダイニングを作り、食事を部屋出しとメインダイニングから顧客に選択させることなど、和洋折衷のコンセプトへの転換を図ろうとしている。さらにホームページの積極的な活用などを考えている。

 地産地消を基本とするB社は、地元の契約農家から有機栽培の米、野菜、無農薬の果物、特にみかんとイチゴ、自然飼育の鶏肉と鶏卵、無添加飼料で飼育した豚肉などを調達している。最近、B社の顧客から地元の食材についての問い合わせが増えてきている。人手不足もあり、丁重に断っているが、昔からの顧客に対してだけは、食材を特別に販売している。また、B社の宿泊客に、地元の農家が手掛けているみかん狩りやイチゴ狩りの案内をする機会も増えてきた。温泉の熱を利用したハウス栽培も地元では盛んになってきている。

 H温泉全体の環境変化の中で、B社は伝統と改革の狭間で揺れている
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宇井 克己

Author:宇井 克己
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